炎 8 |
ハッ・ハッ・ハッ。 途切れ途切れの息遣いが倉庫の中に篭る。恐怖からイルカは薄汚いマットの上を後退した。 驚いた表情の想い人が自分を見ている。 逸らしたいはずの視線は、何故か外せず絡まったまま。 イルカは乱れた呼吸をそのままに緩く頭を振りながら、さらに後ろへと逃げる。 カカシにばれた。 しかし混乱からそんなことも理解できない。ただこの場から逃げ出したいという思いしかない。いや、そんな思いさえも出てこない。見えるものはカカシの姿。聞えるのは彼の驚いた声と、自分の歪な乱れた呼吸のみ。 「み、みな・で・・・。」 か細い声がやっとイルカの唇から零れ、切なる想いをカカシに投げかける。カカシはまだ驚いた表情のままだ。 「おねが・・・みな、くだ・・・さ・・・っ。」 ようやく状況を把握し始めた身体は震えだし、見せないように縮こまらせた。いわゆる体育座りをして、イルカは出来るだけ自分の姿をカカシに見せないようにする。 軽蔑される。 カカシ先生に。 汚いって。 ばれた・・・! カカシ先生に薄汚いって・・・ばれた!! ボロボロと涙を流し、イルカはぎゅっと自分を抱き締める。もうカカシを見ることは出来なかった。出来るはずが無い。 これは悪夢だ。 悪夢だ・・・!! そう思い込もうとする度に、ここが現実なのだと思い知らされるようだった。 「・・・イルカ、先生・・・。」 びくり。 カカシの声に、大袈裟なくらいイルカは肩を震わせた。顔は上げられない。どんな言葉を言われるのかと、イルカはさらに涙を零した。 「・・・オレ、イルカ先生はそういうこと全然しない人だって勝手に思ってました。」 「・・・っつ!」 そうだ。そう思われたいからこそ、自分は努力し続けてきたのだ。ちゃんとカカシにそう思われていたのに、自らそれを壊してしまった。イルカは膝を抱える。 「勝手にそう思って・・・あなたに欲情している自分をひた隠ししてました。」 「・・・。」 「でも、よかった・・・。」 どくりと心臓が高鳴った。カカシが言いながらこちらに近付いてくるのをイルカは感じ取る。無意識に逃れようと後退すると、強い力で腕を掴まれた。 「・・・やっ!」 「オレの気持ち、知ってますよね?」 抱えた自分の膝の隙間から見えるのは、カカシの脚。マットにあがってきている。腕を掴まれ、イルカは容赦ない力で引き寄せられる。 「イルカ先生も欲情するんだ。」 「ごめ、なさ・・・っ。」 「何で謝るの。」 「がっこ、で、こ・なこと・・・。」 「嬉しいよ。」 今、目の前にいるカカシは、イルカが見たことのない男に思えた。素顔を晒している男は欲情を乗せた笑みを浮かべている。 イルカはどうしてカカシがこんなカオをしているのか、分からなかった。 「オレと同じ趣味で嬉しい。」 「しゅ、み・・・?」 「もう自分で慰めなくていいですからね。」 「か、し先生・・・?」 「これからはオレが犯してあげる。」 「おかす・・・。」 凶悪な笑みを浮かべているカカシは、普段のイルカならば受け入れられなかっただろう。しかし今のイルカはその笑みも言葉も歓喜に感じられた。 電話の男ではなくカカシに犯してもらえるのだ。 「カカシ先生が・・・犯して・・・くれる・・・?」 「はい。オレが。」 イルカは微笑んだ。 嬉しくてたまらない。 ゆっくりと脚を開き、ベタベタに濡れた自分自身と異物を収めている秘所を晒す。カカシはごくりと生唾を飲んだ。 「ごしゅ、じ・さま・・・?」 「そう。オレはイルカのご主人様ですよ。」 完全にマットに乗り上げたカカシの熱を感じ、イルカはようやく安心できた。
「ほら、ちゃんと開いて。」 「っつ・・・。」 イヤイヤと子供のように頭を振ると、ピシャリと尻を叩かれた。痛みに眉をしかめるイルカを見て、カカシはうっとりと微笑む。 「うぅ・・・。」 羞恥に呻きながら、イルカは言われたとおりに双丘の肉を両手で左右に開く。四つん這いになり腰を高く上げているこの体勢は、カカシに全てを晒す姿だ。 「あぁ、イルカ先生ったら、こんなもの入れて。」 ふふふとカカシは嬉しそうに笑う。笑い声は興奮と欲情をたっぷりと含ませていて、イルカはびくりと肩を震わせる。 同じだと思った。 脅迫者とカカシは同じ種類の人間だと。 カカシは脅迫者のように荒い言葉を使いはしないが、内容は大して変わらない。言葉で辱める事が大好きなようだ。 イルカに対し、て同じ趣味で嬉しいとカカシは言った。こういうことだったのかと、ようやくイルカは理解する。 でも構わないと思う。 カカシならば構わない。 「やっ・まって・・・!」 「どーして?お腹苦しくないんですか?」 カカシはイルカの秘所から覗く異物の取っ手を掴み、引っ張り出そうとしてきた。イルカは慌ててそれを止めてもらう。ただでさえ燻る熱を持て余していたのに、急激な刺激には耐えられそうにない。しかも自分自身には未だにベルトが巻かれているのだ。 「くるし・けど・・・先にベルト・・・外させてください・・・。」 欲情を塞き止められたまま、そんなことされては気が狂ってしまうのではないか。イルカはカカシに縋った。カカシは笑みの形の唇を変えることなく、熱い吐息を零す。 「いいですよぉ。その代わり、外した途端にイッちゃうとかは無しだからね?我慢するんですよ?」 こくこくとイルカは頷き、力が入りにくい指で懸命にベルトを解いていく。さぁもうすぐ外れるぞというところで、カカシは異物の取っ手に力を入れた。 ぷちゅんと軽い音を立てて、一つ目のボールがイルカの体内から引きずり出される。 「いっ!?――ぁああ!!」 予想しなかった快感にイルカは驚き、目を見開いたまま達してしまった。ビチャビチャとマットを汚していく。外れたベルトにも白濁がかかってしまった。 「良かったねぇ。ベルト外れたじゃない。――でも、誰もイっていいなんて言ってないでしょ?」 「ひ、酷い・・・ッ!」 抗議の言葉を口にすると、カカシはニヤけた顔を一気に冷めたものに変えた。イルカはしまったと瞬時に後悔する。カカシはようやく取り出せたボールを再びイルカの秘所へと突っ込んだ。乱暴に指も押し込み、先程よりもさらに奥へと侵入させる。 「やぁあ・・・ぁあ!!」 「約束守らなかったのはイルカでしょ?酷いのはどっちよ。」 「かぁし、せんせっ!ごめなさ・・・っ!」 「悪い子にはお仕置きしかなーいね。一気に全部引き抜いてあげる。」 言われたイルカはサッと青くなってしまった。恐怖ばかりが先に立つ。イルカは逃げ出そうと抵抗したが、カカシは易々とそれを封じてしまった。 「や、です・・・!これ以上やらしくなりたくない・・・!!」 「どうして。もっといやらしくなりなさいよ。」 「カカシ先生に・・・っ嫌われたくないです・・・!」 「嫌うわけ無いでしょ。」 くっとカカシは小さく笑うと、一気にアナルボールを引き抜いた。ブチュブチュッとローションとボールが混ざる音と体内をかき回される音が部屋に響き、同時にイルカは悲鳴を上げて失禁した。強すぎる快感に身体が驚いたらしい。 「いや、だぁあ・・・!!」 「あぁ・・・本当にイルカはいい子だねぇ・・・。」 失禁しながら泣きじゃくるイルカを見、カカシはぶるりと身体を震わせた。尿の染みが広がったマットの上で、高く腰を上げたままの体勢のイルカ。虚ろな瞳のまま、はーはーとか細い呼吸を繰り返している。まるで壊れかけている玩具のようだ。カカシは熱を収めきれなくなったらしく、焦るように自身を取り出す。 「イルカ。」 無理矢理広げさせられたイルカの最奥は、ひくひくと震えている。閉じきれないソコは、なんの抵抗も無くカカシの先端を受け入れる。 「イルカは、こんな事する男は嫌い?」 掠れたカカシの声が聞え、イルカはゆるゆると首を振る。溶け切っている思考では考えが上手くまとまらないのだが、それだけはハッキリと否定した。 「カ・カシさんが・・・すき、です・・・。」 「うん。」 「ご、しゅじんさ、まぁ・・・。」 「うん、イルカ。」 ぎゅっとカカシはイルカを抱き締めた。 イルカはそれだけで満たされる。 「イルカを犯して、ください・・・っ。」 だからこれでいいのだ。
「イルカはオレに犯されるために生きてるんだよ。」
そしてイルカは確信する。
オレを殺せるのはあの男じゃない。 カカシさんだけなんだ。
・・・。 |
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