僕は先生にフィーバー!
〜KI編〜




これがどういう部類に入る感情なのか分からない。

けど、とにかく彼を喰いたいと思っているのだけは確かだ。

「センセイ・・・起きて・・・。」

一度も見たことのない笑顔を見てみたいと思う反面、苦痛で表情を歪ませたいとも思う。

「イルカセンセイ・・・起きてよ。」

快感と苦痛で歪む彼の表情は絶品だった。「許して・許して」と泣き叫ばせたい。そのうち彼は自分の事しか見ないモノになるかもしれない。

「物」に。

カカシはぺろりと上唇を嘗めた。

この感情は何というのだろう。さて、カカシは考えた。

「う〜ん・・・。」

カカシはにやりと人の悪い笑みを浮かべる。それじゃあ答えを言って頂きましょうか。

「敢えて言うなら、『男のロマン?』」

それって、正解?





恋じゃない愛じゃない
2−3







自分の性癖が一般的だと思っていたのが懐かしいくらいだ。

何てカカシは思っていた。

高校を中退したときからこんな商売しているから、自ら性行為を望んだことは無かった。女でも男でもすることは一緒だったし、客が望めば一般的ではないこともしてきた。自分より年上の男が、モノを踏みつけながら罵ってくれと言えばその要求通りに従った。頭の中は冷め切り、贅肉でタルンだ身体と精神を思ったとおりに口にしただけだったのに、満足してくれる。カカシはそんな輩を馬鹿にしていた。

多分。自分も含めて。

誰かに愛された事も愛した事もなかったカカシは、漠然としか恋愛に付いて考えたことは無かった。多少の憧れはあった。趣味である読書での恋愛物は、悲恋であっても甘いものだと思わせてくれたからだ。

しかしどうだろうか。

初めての欲求相手に対し、カカシは「甘い」なんて生半可な感情を持ってはいなかった。

自分の行為に気を失っている彼に対してさえも、優しくしたいという想いは出てこない。シャツ一枚で横たわるイルカの肢体を上から下まで嘗めるように眺める。少し解けかけている、手首を縛っているネクタイに気付き、カカシは更にキツク縛ろうかと思った。

まだ足りない・・・。

本当は手首なんかじゃ足りないのだ。両手足を縛り上げて、紅く醜い痕を付けたい。羞恥を煽りながら、下卑た言葉を彼に塗りたくりたい。彼から言わせたい。なんて考えていた。

「やばいね――。オレってかなり変態入ってンのかも。」

カカシは流石にこれ以上やってしまったら、シャレにならないと思いイルカの身体を拭くためにバスルームへと向かうことにした。

きっとこの感情は、恋じゃないし愛じゃない。

だって凶暴なだけなんだから。優しい気持ちを通り越しての恐ろしいまでの独占欲と、醜いまでの執着心。会った瞬間から湧き上がって、溢れ返ってくるこの感情は・・・きっと違う。

数々読んだ小説のような優しい気持ちにはなれないから・・・。

恋じゃないし愛じゃない。













「あの後大変だったんですよ。気を失っているアンタの身体拭いてやって、スーツ着させて。」

「・・・。」

回想を終えて、恥ずかしい想いを再び堪能しているイルカに、カカシはその後の話を話し出す。イルカは紅かった顔を尚更紅くし始めた。出されたコーヒーはとっくに冷め切っていた。

「気付いてからも寝惚けてるみたいで、子供みたいにぐずったりして・・・まぁそれは可愛かったんですけどね。」

「ぐずったぁ!?」

イルカはその言葉にようやく顔を上げた。カカシはやっとイルカの顔が見れたからか嬉しそうに微笑んでいる。カカシは冷め切っているのも構わず、コーヒーに口を付けながら話を続けた。

「そうですよ。覚えてないの?可愛かったよ。『もう帰る。眠いから帰る。』って泣きそうになって可愛か〜った。」

「嘘だ!!オ・オレがそんなこと!!」

「本当だって。ぐずるアンタを宥めながら、車まで送ってあげたんですけど・・・。それも覚えてない?」

そこまで言われ、イルカはようやく思い出した。そういえば気が付くと、スーツをきちんと着込んで、スイカの家の近くに停めておいた自分の車にいたのだった。

「気・気が付いたら・・・自分の車にー・・・って!そうだ駐禁取られたんですよ!?」

「そりゃ災難だったね。」

くすくすとカカシは微笑を絶やさない。イルカは何だか居心地が悪くなってきた。カカシの視線が柔らかなものだからだ。学校で会った時からカカシはその視線を絶やさない。まるで気心が知れている相手と居るように、他人といるために起こる緊張感などが一切無いのだ。だからイルカは困っていた。悪意は感じられない。自分をからかうような言動はするが、単なる自分とのやり取りを楽しんでいるようだった。

「オレの事・・・どうやって知ったんですか・・・。携帯とか・・・職場とか・・・。」

イルカはその視線から逃げるように目を逸らす。カカシは気にしたようでもなかった。

「気を失っている間に携帯を見せてもらったです。免許書とかー・・・そこから調べてもらって、うちの店長から色々情報を貰いました。」

「・・・。」

思いっきり犯罪だ。

イルカは呆気に取られて口を開けながら、目の前の男を凝視してしまった。この男は物事の善悪を分かっていないのだろうか。

教育しなけりゃならないのは、この人なんじゃないのか・・・?

「センセイ?」

「あ、いや・・・。とにかく!オレをこんな所にまで連れてきた理由は何ですか!」

イルカは、思わず立ち上がってしまった。カカシは少し驚いた顔をしたけれど余裕の表情を浮かべる。イルカは嫌な予感にごくりと生唾を飲んだ。本当に短い付き合いだけれども、カカシのこの表情には要注意なのだ。

「理由なんて簡単ですよ。」

「だ・だから何ですか・・・。」

怯える表情のイルカを見て、カカシは自分のシャツのボタンをゆっくりと外し始めた。イルカは驚愕に目を見開く。しかしカカシは止まらない。薄手のシャツの下から、鍛えられて無駄な肉が一切無い身体が覗き始める。

あの晩。

散々啼かされた身体が見え始める。

「抱きたい。」

言われた言葉の理解に数秒かかってしまった。イルカは混乱する思考の中で、必死にこの場から逃げ出す方法を考える。

「カ・カカシさん!」

「イルカ先生をちゃんと抱きたい。」

退こうとした身体をいつの間にか捕らえられる。イルカはカカシに手首を捕まれて過剰に反応する。掴まれた部分から電流が走るみたいだ。ビリビリと痺れを感じる。

「離せ!カカシ・・・!!」

「今度はオレに名前を呼ばせてください。」

ぐいっと強引に引っ張られて、イルカはガラステーブルに膝を付く形で乗り上げてしまった。至近距離で顔を近づけられて言葉が詰まる。

「・・・っ!」

「呼びたい・・・うみのイルカさん・・・。」

熱い視線はそのままイルカを射る。

あと数ミリで唇が触れ合う距離に自分たちはいる。イルカは動けない。カカシは更に距離を縮める。カカシが飲み干してしまったため、中身のないマグカップがフローリングの床に音を立てて落ちた。ごとりと鈍い音にイルカが身体を揺らして反応する。そのために出来た隙をカカシが見逃すはずも無く。お互いの膝を付けるようにテーブルに乗り上げて、唇を合わせた。

深く。

狂おしいくらいに。

「ん・・・ぅ・・・。」

「教えて・・・もっと・・・。」

狂おしい。

そう。

狂おしいほどのこの感情。




ねぇ。

本当に恋じゃない?愛じゃない?






END



はい。エッチ回想編終了です。
早く最後まで
いってしまいたいのですが、
堅物イルカ先生が
それを許さないでしょう。(笑)
それにしても、もっと
ギャグっぷりを
発揮したいのですが、
エセシリアスになってきましたね。
いかんいかん!!
次はギャグエロにしなくては!!!(死)



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