見たくないモノほどよく見える。




後編









彼の額宛をゆっくりと外す。

気持ちとは反対に、焦らずにゆっくりとだ。

誰に何をされているのか、分からせるためにオレはゆっくりと結び目を解いていく。不安に揺れる瞳を見て何度も自分の唇を嘗め、興奮を抑えようとした。もちろん焼け石に水だったけれど。

「イルカ先生・・・。あぁ、すごく可愛い・・・。」

「ん・ふ・・・っ・。」

彼の額宛を口に含ませ、きゅっと強めに縛る。即席の猿轡にイルカ先生は苦しそうに喘いだ。先程までと違ってくぐもった声がオレを刺激する。

「んっ・ん!?」

「ココも、固くなってますね。」

オレはうっとりと呟きながら彼のベストを脱がし、アンダーをたくし上げた。胸を露わにされたイルカ先生は驚いている。多分彼は猿轡をして声を抑えることが出来たら、さっさとイかせてもらえると思っていたのだろう。

残念ながらそんなことありえません。

ツンツンに尖った胸の果実にオレはカプリと齧り付いた。イルカ先生は首を逸らして反応する。片方を歯で扱き、空いている方は指で引っ張ってやる。イルカ先生は苦しそうに呼吸をしている。

「乳首、好きなんですか?噛んだらカウパーが噴出してきたよ?」

「うぅ・んー・・・!」

イルカ先生は必死に眼で違うと伝えようとしてきたけれど、オレは分からないふりをした。唾液でベトベトになっている乳首は真っ赤に腫れていて、ツンと上向いている。オレは強く噛んで、痛みにも近い感覚を彼に味あわせた。

「う・く・・・っ!」

「痛い?」

聞くと素直にこくんと頷く。それでも物を食べるように噛み続け、痛みを与え続けると、イルカ先生は身体を捩ってオレから逃げようとする。オレは無意識の内に笑んでいた。逃げようとするモノを追うのは本能でしょ。

「逃げちゃだめですよ。ホラ、あいつらに見付かっちゃうよ?」

「っつ・・・!」

「ちゃあんと、気持ちいいこともしてあげるから。」

乳首を引っ張っていた手を下半身に持っていき、放り出していたイルカ先生自身に指を絡める。もちろん乳首は噛んだままで、痛みと快感を同時に送ると彼はガクガクと震え始めた。身体が混乱してきたのだろう。

「ぅ・んん・・ふ・ぅう・・・!」

唾液で口に含ませている額宛が濃い色に変色している。真っ赤な顔をしてイルカ先生は耐えていた。その表情を見てオレはようやく胸への愛撫を止める。舌をそのまま身体に這わせて、見せ付けるように下肢へと向かわせた。つっ・・・と唾液の道が彼の身体に出来ていく。胸から腹へ、そして臍をぐちゅりと嘗めとるとイルカ先生の腹筋がびくびくと波立った。上から、うぅと苦しそな喘ぎが聞えてくる。

「ふふ・・・溶けかけてるアイスみたい。」

辿り着いた彼自身はもうどっろどろで、ポタポタと先走りが滴り落ちている。まるで食べるのが下手な子供のアイスキャンディーのようだと思った。

「美味しそうだぁね。」

全てを飲み込むようにばくりと大きく口を開いたオレを彼は期待に満ちた目で見ている。早くどうにかしてほしいと訴えてくる瞳は、オレの征服欲を満足させてくれる。期待に応えてオレは再びイルカ先生の欲情を口内へと誘った。

「――う・んん・・・!!」

「・・・そんなに我慢してたの?」

口に含んだだけで、イルカ先生は達してしまった。どくりと弾けた彼の熱が口内に広がり、オレは苦笑する。彼は羞恥からか罪悪感からかぎゅっと眼を瞑って涙を流した。嗚咽を堪える声が聞えてくる。

「んっ・んう!?」

「はぁい、ちょっと反対向いてくださーいね。」

くるりと身体を反転させ、オレはイルカ先生を壁と向かい合わせにした。後ろ手で縛っているから顔を壁に押し付けるようにさせるのには悪いなと思ったが、もうオレにも余裕はないのだ。ここは我慢してもらおう。

「キレイな色してるねぇ・・・。」

「ん!んー!!」

むにりと双丘を押し開き、彼の一番奥を覗き込む。驚いてイルカ先生は大きな声を出す。あちらに同僚が居る事をもうすっかり忘れているのだろう。それも仕方ないか。

唾液と先程出したイルカ先生の精液を秘所に塗りたくる。ぐちゅぐちゅとした淫音が響き、彼は全身を真っ赤に染めた。目の前の尻まで真っ赤になっている。そんな可愛いお尻にカプリと噛み付いては歯形を残し、オレはゆっくりと彼の身体が馴染むのを待つ。

「ん・ふ・ぅ・・・ん。」

「立ってられない・・・?」

指がすんなり入る頃にはすっかり力が入らなくなった彼は、ずるずるとへたり込んで、とうとう床に突っ伏してしまった。腰を高く上げてオレに秘所を突き出しているのには気付いていないのだろう。

二本の指を根元まで侵入させて、くりくりと内を弄くってやる。イルカ先生は「うぅ・うぅ。」と唸るように喘ぎ、足で床を蹴っていた。相変わらず尻も見えている背中も真っ赤なままで、とても愛らしい。オレは彼の声が聞きたくなって、身を乗り出し猿轡を外す。

呼吸が楽になったイルカ先生は何度か咽た後、いやいやと頭を振った。オレは彼の言わんとしていることを察し、大丈夫と微笑んだ。

「さるぐつわ・・・はずしちゃ、だ・めです・・・こえ、声が・・・っ。」

「聞きたいんです。」

ずるっと勢いをつけて彼の内から指を抜き去る。イルカ先生は声を抑えるものが無くなり、堪えられないのだろう。それは可愛い声で鳴いてくれた。

「可愛いねぇ。ぱくぱくしてる・・・。」

異物を取り除かれた最奥は、何かをねだる様に開閉をしている。性的行為に慣れていないイルカ先生の、無意識の痴態にオレの熱も上がっていく。彼は「見ないで。」と泣いていた。

「イルカ先生・・・力抜いて。」

「ひっ・な、に・・・かかしせんせ、い?」

指なんかじゃ比べ物にならないくらいの熱い塊を彼に押し付ける。背後からの熱量に彼は戸惑い、必死になって振り向こうとした。そして己の奥に侵入をしようとしているオレの熱を見て、表情を固まらせる。

「や、どして・・・止めてください・・・!」

「どうしてって・・・分かりませんか?」

そういえば、告白も何もかもすっ飛ばして押し倒したんだったと気付いたが、今更仕方が無い事だろう。オレは混乱しているイルカ先生を抱き締め、少しでもこの想いを伝えようと腕に力を込めた。

「男にこんなことしたいなんて思いません。・・・あなただから・・・イルカ先生だからしたいんです。」

「え、あ・あの・・・。」

「こんな状況に付け込むくらい、オレはあなたに飢えてるんです。――分かって。お願い。」

情けない。

こんな風に伝えるべきじゃなかったと、オレは直ぐに後悔した。イルカ先生はオレの言葉を聞いてじっと動かなかったが、突然もがきだした。腕の額宛を取ろうとしていることが分かったので、素直に解いてやる。すると思ってもいなかった行動を彼は取ったのだ。

ギュッとオレに抱きついたくれた。

「イ、ルカ先生?」

「・・・オ、オレだって!男相手にこんなこと許しませんよ!」

ぎゅうぎゅうと痛いくらいに抱きついてきて、オレの首筋をがぷりと噛む。今までのお返しと言わんばかりの行動に、オレは驚きと嬉しさを同時に味わった。

「イルカ先生、それって・・・!」

「カカシ先生だから、許したんです。」

嬉しさのあまり、オレはそれ以上何も言えなくなってしまった。とにかくこの感情を伝えたくて彼を抱き締め、無我夢中で唇を貪る。

「ん・んふ・あっ・・・!」

「好き、先生・・・大好きです。」

止まっていた行為は自然に再開され、オレは何度も好きだと口にしながら彼の内へと自身を埋めていく。イルカ先生は苦しそうに荒い呼吸を繰り返していたが、もう抵抗する事は無かった。

「や・あっ・ぁ、あ・・・!」

「・・・気持ち、イイ?」

指で見つけた弱い部分を己自身で打ちつけながら、彼自身にも指を絡める。濡れた音と熱い声が部屋中に響き、世界が遮断される。

「か、し・・・っも、やだ・・・っ!」

「ん、オレもイキそう。」

涙で濡れる頬を嘗めそのまま口付けると、彼はオレの手の中で弾け、続いてオレもイルカ先生の最奥で激情をその身に注ぎ込んだ。快感の余韻に何度も打ち震え、オレは彼を閉じ込めるように自分の腕に強く抱く。イルカ先生もそれに応えてくれて、同じ強さで抱き返してくれた。



































「うぅ。どうしよう・・・これからどうしたらいいんだ・・・。」

ようやく落ち着いたオレ達は、書庫の中で離れがたいと抱き合ったままだった。座っているイルカ先生を後から抱き締め、肩口に顔を埋める。オレは幸せの絶頂で、ニコニコ微笑んだままだったが、イルカ先生は反対に真青なままだ。

「どうしたんですか〜?身体痛い?」

「そりゃ痛いですが・・・そうじゃなくって!!ぜ、絶対バレテますよ!!」

わっと泣き出したイルカ先生は、オレの欲望をまた煽ったがそこはぐっと我慢だ。これ以上したらさすがに嫌われそうだし。

「それなら大丈夫ですって。」

「そんな訳無いじゃないですか!あ、あんなに声だしちゃったし・・・な、何度もしちゃったし・・・!!」

「しちゃいましたね〜・・・。三回?」

「言わないでくださいよ!!――どうしよう!!明日からどうしたらいいんだ〜!」

わぁわぁ混乱しているイルカ先生も、もちろん可愛い。これが恋は盲目ってやつなんだろうか。案外嫌な気分じゃない。オレはニコニコしながらちゅうっと彼にキスをする。イルカ先生は真っ赤になってピタリと泣きやんだ。

「それなら、本当に大丈夫。途中から結界張ってましたから。」

「・・・へ?」

「イルカ先生の可愛い声、他の奴らに聞かせるわけないじゃないですか。」

オレの一言で、イルカ先生はへなへな〜っと寄りかかってきた。本当に心配していたんだなと、結界を張ってよかったとその姿を見てオレも安堵する。

「それにしてもココ・・・これからサボリには使えないかもしれませんね。」

そうだ。自分で言いながら、それは残念だと思った。これからもこんな風に他の奴らの逢引に使われたら、こっそり彼と会うことも出来ないじゃないか。

「もうサボりには来ません。・・・あ、あんなところもう見たくないです。っていうか、どうしてあんな場面を見ちゃうんだ・・・。」

思い出したのだろう。見る見る内に赤くなっていくイルカ先生。オレはくすりと笑って、ぎゅっと抱き締める。

そりゃオレも、他人のなんて見たいとは思わないけれど・・・。

「まぁ、見たくないモノほどよく見えるって言いますけど、今回は・・・感謝ですよね。」

そう言うと、イルカ先生は何とも複雑な顔をしてくれた。




END




・・・え〜、今回もリクエストとは
かけ離れたSSになってしまったようですが・・・。
そこはこう・・・勘弁してやってくださ〜い!
あぅう。きまぐれやさん!こんなのですが
貰ってやってください。m(_)m
本当にリクエストありがとうございました。
こりずに・・・ぜひまた!ぜひまた!!
リクエストしてやってくださいね〜〜!!(必死)

ありがとうございました!m(_)m




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