僕は先生にフィーバー!
〜KI編〜




「な・何でイルカ先生がこんな所にいるの!?」

それはオレの台詞だ。

イルカはゆっくりと閉まるドアを背に、ぼんやりとこんな事を考えていた。自慢の生徒だったスイカが、男相手に売春をしていると思ったら、スイカが男に金を渡していた。これはいったいどういう事なんだろうか。イルカは働きたがらない頭を、何とか回転させようとしていた。

「と・とにかく!一旦スイカは帰るんだ。先生はこの人と話を付けるから・・・。」

「アンタ、本当に先生なの?なぁんか、そんな風に見えないけどなぁ・・・。」

イルカにとっての、諸悪の根源が突然口を挟んできた。低く艶のある声は、同性のイルカにとっても魅力あると感じられたが、その内容がいけ好かない。イルカはキッと男を睨んだ。

「ちょっと黙っててもらえますか?」

「先生!カカシを怒らないで!!」

「かかしぃ!?」

喧嘩腰になったイルカを止めるように、スイカが間に割って入ってきた。スイカはウルウルと瞳に涙まで溜めている。流石のイルカもその顔を見て、黙ってしまった。

「カカシが僕の事を買ったんじゃないんです!僕がカカシを買ったんだ!一夜限りでもいいからって・・・!!」

「かっ・スイカがコイツを買った!?」

あぁもう!訳が分からない!

混乱する二人を余所に、問題の人物「カカシ」はキングサイズのベッドに腰掛ける。そして退屈そうな様子で言い放った。

「先生も交えて、三人ですんの?そしたら料金割り増ししまーすよ。お客さん。」

「〜〜〜!!アンタなぁ!!」

「わぁ!先生落ち着いて!!」

ちょっとだけ「いい男だな。」なんて思ったのは間違いだった。イルカはそう思いながら「カカシ」に殴りかかった。

そういえば、他人に殴りかかるのなんて何年ぶりだろう。そんな事も考えながら。





ある意味人生経験?
1−2




未成年をずっとこんな所に居らせる訳が無い。そう判断したイルカは、泣きじゃくるスイカをタクシーで自宅まで送らせた。タクシーが見えなくなるまで見送ってから、もちろん自分はラブホテルに再び戻ったのだ。スイカが買ったと言う「カカシ」と話をするために。

「ふぅん・・・。アイツ高校生だったんだ。」

「・・・スイカがあなたを買ったっていうのは本当ですか?」

ベッドで未だにゴロゴロと転がっているカカシを睨みながら、イルカは低い声で問う。カカシはちらりとイルカを伺い、ジーンズのポケットから名刺を取り出した。入口のドアから離れようとしないイルカに、大股で近付いていく。イルカはびくりと大袈裟に震える。その様子を見てカカシはにやりと悪い笑みを浮かべるが、イルカは気付いていないようだった。

「・・・出張ホスト・・・?」

「そう。オレは接客あんまり上手くないから、SEX専門のホストを職業としているんですよ。ご要望があれば、どんなプレイもしますよ。もちろん性別・容姿・年齢関係なくお相手します。」

名刺には氏名と携帯番号が載っていた。その渡された名刺を見ながら、イルカは益々機嫌を悪くさせていく。

「出張ホストなんて言ったって、単なるデリヘルじゃねぇか。未成年に手ぇ出しやがって。」

「ま・そうだね。」

怒りを露にするイルカとは対照にカカシは悪びれもせず答えている。そのことでイルカの堪忍袋の緒が切れた。ぶちん!と頭の中で盛大に緒が切れた音を確認して、イルカはカカシの腹に蹴りを食らわせようと脚を振り上げた。

「わっ。あーぶない。」

「〜〜〜!アンタがしていることは犯罪だぞ!警察に突き出してやる!覚悟しとけよ!!」

その蹴りをひらりとかわされて、イルカはますます頭に血が上った。イルカがそう言って部屋から出ようとした瞬間。ばんっと乱暴な音を立てて扉を強制的に閉められた。目の前で閉まったドアに呆然としてしまったイルカだが、さらに怒りのボルテージを上げてカカシに掴みかかった。

「どういうつもりだ!!」

「警察はまずいよ。オレもコレで食ってるわけだからさ。」

「そんなの関係な・・・うわ!?」

腕を急に引っ張られて、イルカは男の胸の中に陥ってしまった。何事かと思っていると、カカシはそんな事お構い無しにイルカのネクタイを解いていった。職員会議のために珍しく背広なんて着ていったのが運の尽きか。

「な・何しやがる・・・ちょ・ちょっと!」

「センセイを恥ずかしい目にあわせてやる。」

「はぁ!?」

しゅるしゅると器用にネクタイを解いていった男は、続いてイルカの手首を一つ纏めにしてしまった。イルカは急な展開に呆気に取られている。

「そうすりゃ、警察になんて訴えられないでしょう?」

「そっ、そんなの分かんないでしょうが!」

流石にイルカも状況を察知して暴れ出したが、抵抗が遅すぎたようだ。出て行くはずのドアに身体を縫い付けられるように押さえつけられる。細く見えたが、男の力は思った以上に強い。

「んーじゃぁ、皆にばらしてやる。」

「な、何をですか。」

怯えるイルカに、男はにやりと微笑んだ。これは心底状況を楽しんでいるようだった。イルカはつぅっと背中に嫌な汗が流れるのを感じた。

「生徒を教育するはずの聖職者が、男にレイプされた挙句、そのレイプ魔のテクにヨガってヒィヒィ啼かされまくりましたーって。」

「〜〜〜〜!!!!」

な・何てこと言うんだこの男は!!

イルカが、ある意味カルチャーショックを受けている間に、その男はどんどんと行為を進めていった。イルカが再び正気に戻る頃には、スーツのズボンが脱がされかかっている頃だった。

「ちょ・ちょっと・・・!何脱がしてんですか!!」

「脱がさないと恥ずかしいこと出来なーいでしょう?」

かちゃかちゃとベルトを外す音が部屋中に響き、イルカの焦りを余所にずるりとズボンを下着ごと脱がされてしまった。

「やめっ・・・!」

「へぇ・・・。」

にやりと男は品の無い笑みを浮かべた。まだ力を付けていないイルカ自身を嘗め回すかのように見詰める。イルカはその視線に羞恥心を煽られて、見る間に身体中を朱に染めていった。

「全然使ってないの?キレイな色してる・・・。」

「見るんじゃねぇ!この変態!!」

床に膝まで着いてイルカ自身を観察してくる男に、イルカは出来る限りの悪態を吐くが、まったく効果は無いらしい。

「体毛も薄いね。まるで小学生みたいだ・・・結構でかくなるまで、毛が生えなくて悩んだタイプ?」

「何言って・・・ひっ!」

ちゅっと音を立てて男は自身に口付けた。イルカは面食らってされるがままになってしまう。

「ねぇ・・・ちゃんとオレの事呼んでよ。何でか知らないけど・・・アンタには呼ばれたい・・・。」

「や・やめ・・・!嘗める・なぁ・・・!!」

濡れた舌で側面を撫でられて、イルカは身震いをする。快感に流されそうになる身体を何とか治めようとするが、これも無駄な努力になりそうだった。

「呼んで・・・オレははたけカカシ。ねぇ・・・呼んでってば・・・。」

「あっ・あっ・・・!は・はたけさっ・・・!」

がくがくと震え始める脚は、今にも床に崩れそうになる。イルカは初めて味わう他人から与えられる快楽に、容易に溺れ始めていた。初めて会った人間と、初めてあったその日にこんなことが起こるなんて、信じられなかった。

「気持ちイイの?どんどん大きくなってくよ?ほら、お腹にくっ付きそうだ。」

「ぃ・あっ・・・やだっ・やだぁ・・・!!」

唇をイルカ自身から放したカカシは、そのまま観察を始めた。逐一状況を話してくるおかげで、ぎゅっと目を瞑っているイルカにも手に取るように自分の変化が分かってしまう。それがさらに羞恥を呼んだ。

「センセイって、もしかして才能あんじゃない?もう何もしなくてもイケそうじゃん。」

くすりと微笑む声を聞いて、イルカはカッとなってしまった。泣くものかと心に決めていたのに、羞恥と屈辱感がそれに勝ってしまい、とうとう涙を零し始めてしまった。

「う・ふっ・・・!畜生・・・!」

「・・・泣かないでよ・・・。」

その涙を見て、カカシはごくりと生唾を嚥下した。ぞくりと快感が背中を駆け上ってくる。

煽ってるはずのオレが、煽られてるよ・・・。

カカシは無意識に上唇を一嘗めして、立ち上がった。イルカは止まらないしゃくりをそのまままに、自分より幾分上にある目を見詰めた。

「泣いたら・・・酷い事されちゃうよ?」

「へ?」

「センセイの事・・・めちゃくちゃ啼かしてみたくなる。」

恍惚感を露にした表情で、カカシはイルカに強引な口付けを施した。驚いているイルカの隙を付いて、舌を口内へと滑り込ませる。

「んっ!んぅ・・・!!」

くぐもった声が互いの口内で響いて、イルカに同じ器官を重ねている事を強く印象付ける。強く吸われて、痛いくらいに舌をカカシに噛まれる。イルカは痛さに新たな涙を流した。カカシはその涙を見て更に興奮していた。

このまま、噛み千切ってやろうか・・・。

強い嗜虐心が、カカシ自身を支配し始める。その強さに導かれるように、口淫とも取れる口付けを施したままカカシはイルカ自身を強く扱き上げた。途端にイルカの身体は大きく跳ねる。

ずるずると床に座り込んでしまいそうな身体を、カカシは縛った手首を頭上で壁に縫い付けるように押さえ込むことで支える。ギリギリと手首が悲鳴を上げるほど強く押さえ込む。まるでカカシのサディスティックな心の強さを表しているかのようだった。イルカは痛みと快感との間を右往左往している状態だ。

「凄くいやらしい身体・・・センセイは生徒に何教えていたの?それともナニを教えられていたのかな?ねぇ、オレにも教えてよ・・・。どうしてココがこんなになるのかさ。」

「あっ・あっ・・・!ひぅ・・・ん!」

熱の篭った低い声で耳の中まで犯されて、イルカはもう何が何だか分からなくなりかけていた。羞恥を煽る言葉が自分を弄ぶ事も、囁かれるたびに腰に甘い痺れが走ることも、イルカは自分の身に起こっているとは思いたくなかった。

「凄い・・・カウパーがこんなに溢れてる・・・女みたいだね。音が部屋中に響いてるよ?もうイッちゃうの?イキたいの?」

カカシの手の上下にあわせて、濡れた音も響く。その音はどんどん大きくなっているようだった。イルカは高まる一方の熱を解放したくて堪らなかった。こんな快感も屈辱感も初めてだ。

「あっ・あっ!はたけさ・・・!はたけさん・・・っつ!」

「・・・ちがーうよ。カカシって。ねぇ、ちゃんと呼んで・・・。」

「カ・カシさ・・・ん!も・我慢できな・・・!カカシさん!」

「もっと・呼べよ。」

乱暴に髪を引かれ、口付けられたのを切っ掛けに、イルカは熱をカカシの手の平に吐き出した。何度も自身を痙攣させながら、全ての熱を吐き出す。解放感に虚ろな瞳をしながら、全身の力が抜けてしまったイルカは、その場に座り込んでしまった。

「いっぱい出したね・・・。凄く濃いよ?」

衣服も、心中も乱れきっているイルカに対して、何もかもまったく乱れていないカカシ。イルカは恥ずかしくて堪らなかった。

さてどうなのだろう。

本当に何も乱れていない?

荒い吐息。潤んだ瞳。情欲を放つ肢体。カカシはイルカを見詰めながら、もう一度啼かしてみたいと思った。










何ていうか。

怒涛のような一日だった。放課後の職員会議に、自分のクラスの生徒が売春していると言われ、探偵の真似事をしてみれば、その生徒が逆に男を買っていて。その買われた男に弄ばれ・・・。

イルカは呆然とスイカの家の前で突っ立ていた。

どうやって、あのホモ御用達のホテルから帰って来たのか覚えていないが、イルカはナツノの家の前に停めてあった自分の車まで辿り着いていた。多少スーツは乱れているが、そんな事今のイルカにはどうでも良い事だった。

「・・・しかも駐禁までとられてしまった・・・。」

怒涛のような一日だったんだ・・・。

イルカはその場で膝ま着いた。

 



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